農地法3条許可

2023年08月29日

農地法3条は耕作目的での農地の権利移動を規制しています。
したがって、耕作目的つまり農業を行う目的で他人から農地の所有権を取得する場合、
あるいは農地を借りて農業を行う場合、各市町村の農業委員会の許可を得る必要があります。

農地又は採草牧草地の権利移転の制限
第3条 農地又は採草牧草地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借により権利、賃貸借若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、制令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。


この農地法第3条の許可を得るためには、原則として次の要件を全て満たす必要があります。

農地法第3条の許可要件
1 全部効率利用要件
 農地を取得しようとしている者が、農地の全部を使って効率的に耕作する必要がある、ということです。
 「農地の全部」とは、新たに申請する農地だけでなく、すでに所有している農地も含めた農地ですので、所有している農地の中に耕作放棄地がある場合、許可出来ないことになります。
 「効率的に」とは、農地の規模に必要な人、設備や機械を有していること、適正な営農計画を予定してることが必要となります。
 
2 農地所有適格法人要件
 法人の場合は「農地所有適格法人」以外認められません。
 農地所有適格法人の要件は次のとおりです。
 法人形態:株式を公開していない株式会社、農業組合法人、持分会社です。
 事業内容:農業による売上が全体の半分を超えることが必要です。
 議 決 権 :議決権はその過半数以上が農業関係者であることが必要です。
 役  員:役員についてはその過半数が農業に常時従事し、役員または重要な使用人の中の一人以上が農作業に従事することが必要です。

3 農作業常時従事要件
 農地の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が農作業に常時従事することが必要です。
 「常時従事する」とは、原則年間150日以上と言われています。

4 地域との調和要件
 地域の農業への取り組みに対し協力的であることです。
  地域の活動に支障が生じるような場合は、許可が下りにくくなるようです。
 
 以上が農地法第3条許可のおもな許可基準になります。
 全ての要件に該当していても許可が出ない場合もあるので、事前に農業委員会に相談する必要があります。
 農地法の手続きは当事務所までお問合せください。

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